DESIGNER'S INTERVIEW
集め、選び、構成する。SUKIが宿す、日本の美意識

SUKIシリーズは、2016年にソファから始まりました。
西洋家具としてのフォルムを持ちながら、どこか日本的な佇まいがにじむ。榊田倫之氏がSUKIに込めたのは、日本の美意識と現代性を、普遍的な形へと落とし込む試みでした。
「好き、好む」、そして「数寄=美しいと思うものを寄せ集める」。
選び、集め、取り合わせ、構成する。その思想が、シリーズを貫く核となっています。

※撮影協力 : 清春芸術村 ゲストハウス「和心」
名前に込めた思想:好む、寄せる、構成する
SUKIという名前には、二つの意味が重ねられています。
ひとつは「好む」という意味。もうひとつは「数寄者」の“数寄”——美しいと思うものを寄せ集め、収集し、取り合わせるという意味です。榊田氏はSUKIに、日本の美意識による「選択と構成」の思想を託しました。
SUKIは、選び抜かれた素材や要素を編集し、家具という形が与えられたものです。現代的な形でありながら、日本の美意識を内包した佇まいを生み出します。
特定のスタイルに寄り添いすぎず、空間に合わせて印象を変える。使い手の審美眼や感性によって、完成形が変わっていく。その余白が、SUKIの奥行きを感じさせます。

古美色スチールと宣徳:時間を纏う色
SUKIシリーズを象徴する要素のひとつが、金物の色です。
榊田氏はこれを「古美色」と呼び、真鍮が時を経て枯れていくような表情をイメージしています。古美色は、光を強く跳ね返すのではなく、静かに受け止め、落ち着いた陰影として空間に溶け込む色。目立ちすぎることなく、しかし確かに存在し、静けさの中に芯の強さを宿します。
その色は、日本の茶室の襖に用いられる 宣徳(せんとく) という真鍮の古色にも近いものです。華やかさよりも、時間がつくる深みを選び取る——SUKIが目指す美意識の方向性が、この色からも見えてきます。
さらにSUKIでは、スチールが細身でありながら、無垢材として用いられている点も重要です。線は繊細に見える一方で、素材としての力強さや質実さがある。軽やかさと頼もしさが同居する緊張感が、シリーズの骨格をつくっています。
ダイニングテーブルであれば、古美色の脚部が構成の軸となり、その上にテーブルトップが取り合わされます。トップは空間に合わせてカラーを選べて、サイズオーダーもできる設計で、空間に合った“取り合わせ”を許容する。細い線でスパンを大きく飛ばしたプロポーションも、現代的な気分をそっと映し出しています。

古美色の金物は、光を受けて静かに立ち上がり、空間に深みを与えます。ミニマルな空間や、アート、器と共存する住まいにも自然に馴染みます。トップの色選びや、サイズオーダーで調整できる点も、SUKIダイニングテーブルの魅力です。控えめでありながら意志を感じさせる佇まいが、暮らしの背景を静かに整えていきます。
※榊田氏の「サカキ」は、木偏に神と表記します。















